C. ゲノム情報とPCRを活用したクローニング
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分子生物学で扱われる代表的な生物(e.g. ヒト、出芽酵母、大腸菌)のゲノム構造はすでに解明されていてすぐさま参照できるため(参照配列ともいわれる)、現在ではあえて構造解析する必要性はない ゲノム遺伝子が必要になった場合は、BACやPACベクターに組込まれている長いDNAとして、必要なものをメーカーやしかるべき機関から入手でき、また短い領域であれば、PCRで目的断片を時前で簡単に取得できる このため、現在、古典的手法に則ってクローンを単離する作業は、代表的生物以外の生物や、多様性を含むある種の生物種の特定の個体(e.g. 個々の人間)、あるいは特殊な生物集団の解析にはほぼ限られてきている
特定遺伝子のcDNAクローンを入手する場合も、同定済み遺伝子の転写物(RNA)は、調製した不特定多数の一本鎖cDNA集団(ある意味、これがライブラリーとなる)だけ用意しておけば、公開されている塩基配列情報をもとにRT-PCRをするだけで、目的cDNAを簡単に取得できる